ロゴ

■高齢社会を支えるすべり測定器(OTTO・高速B・低速A)

1. はじめに
 近未来の高齢社会での高齢運転者を支える取り組みは,サポカー等展開されているが,車の基本機能「走る・曲がる・止まる」を支えるのは車両のインテリジェント化だけでは難しく,路面との接触条件「静摩擦係数μ」が大きく影響する事は周知の事実である。しかし,従来の調査法では「すべり摩擦係数μ’」(タイヤがロック状態での摩擦力)を測っており,此れでは意味が無い。それは,ABSブレーキに始まり今後の自動運転までで必要不可欠な重要なパラメータとして有用な「静摩擦係数μ」(モノがすべりだす時の力)が考えられるからである。(ABS:ブレーキ中でも車輪ロックしない)
 もしも,「曲がらず・止まらず」の事態では,重大な事故に繋がる事が想定・危惧され,恐ろしくなる。(原因・責任・対策等,沢山の課題発生を想定)
 また,コーナーリング時のスピンアウトはすべり始め臨海点が重要であり特に接地力を増したタイヤ装着車両では滑りが起きると回復はせず大事故となるケースが大半である。

2. 従来の測定法:
 静摩擦係数とは図−1に示す。
(1)すべり測定車(測定の基準)は:
ア):基本的に実際にすべり直前の摩擦力からμを算出する「クーロンの法則を順守していない」。下記(図−2)に示す。
 摩擦力は時間経過と伴に低下する。
 ブレーキ直後の摩擦力は「静摩擦係数μ」になるが,しだいにすべり比を伴う「すべり摩擦係数μ(mv)」になる。「性能評価法」では,此れが基準。
 しかし,現代の自動車はタイヤロックを起さないよう制御を施した,ABSブレーキが主流であり,「静摩擦係数μが有用」と思われる。

*1) 参考文献 土木技術資料52-5(2010)路面のすべり摩擦と路面管理水準およびすべり事故 安藤和彦著(財)土木研究センター

活用法:初期の値を無視して安定してからの値を使う。

(2)DFSテスター
DFSテスターは:3個のゴム試験片が付いた円盤を高速回転させて路面に落下させて回転抵抗力を円盤停止まで測る。
円盤「停止直前の値を静摩擦係数」にしているが,ゴムの粘着力が影響して大きくなる。
     
(3)BPNテスタ:
 UKで昔開発された測定機で測定値を得てもニュートン力学とは,無関係であり,「獲られたBPN値から解決策」にならない。
 例えば:「遠心力・制動力・制動距離」等である。

3. OTTOの原理と優位性:
 測定原理はクーロンの法則を順守し,静摩擦力をシンプルな機構で検出している。


 @ OTTOの原理
測定機の概念: 下記に示す。
ア:点裂データ取得は,走行距離に伴い「摩擦力の源を蓄積」する機構をV・レ字構成メカニックでつくり,繰り返し動作が正確に動作する仕組みである。
イ:走行に伴い摩擦力の力が蓄積し「蓄積力>路面摩擦以上になった時」,路面との間で「滑りが発生し」,その「静摩擦力」が決定する。
ハ:走行速度には関係なく,動作は行なわれる。
二:走行方向に対して「略直行方向」のすべりを検出する。


 A 計測車両への装着状況(V型)を下記に示す。路面に安定に押し付ける為に,IRIプロファイラー装着した。

 

4. 測定結果例:
 近くの公園外周路で試行した。
 樹脂板を置いて周回した結果を下記に示す。(測定ピッチ20mm)

 

5. 応用:最近の新しい高機能舗装に対応可能。
 近未来における高機能舗装が活発化している。
 例えばG社開発のFFP(フル・フリクション舗装)等は,当初から路面に「小さなクボミ」がある。
 このような高機能・性能のエビデンス資料に活用できないか?

「効果の推測」:
 縦溝の構造では,横断方向に何らかの効果を推測,考えられる効果として:
@ 縦すべり抵抗値<<横滑りが効果大なり。
A 少量の雨では,縦・横の排水性に差は無いが,多くなると縦>横になる。
B ロード型サイクル(極細タイヤ)では,不安が残る。
C 他・メーカー効能は多々在ると思われる。
 以上.沢山の効果が期待できると思われる。

「特に期待の項目」:  溝部近傍でのタイヤはゴムのヤング率が重畳効果として表れ,すべり抵抗が10〜15%は高くなり,また,メカニカルキンクと重なりが予想・推計(20%UP)でき,カーブ部に施工すると「遠心力に打ち勝つ摩擦力」が得られ,安心感が増大する。
これ等を裏付けるデータを「OTTOは」何らく測定可能と思われる。

6. まとめ:
 近未来では,走行中に静摩擦係数μが測れるすべり測定機は,高機能舗装等の技術開発の加速を支援できる測定機であるとも自負してる。
 

                                        2k200831
                                    文責: 福原 敏彦

Copyright (c)surftechno.jp All Rights Reserved.